こっちを向いてよ、ダーリン!

「ごめん」


両手を顔の前で合わせて、突然謝る茜。
何があったのかと目を見張る。


「実は、圭くんから私に連絡があったの。昼間、沙羅の様子がおかしくて、そのあとずっと携帯が通じないから心配だって」


どうして圭くんが心配するの?
もう、関係ないのに……。


「沙羅なら、陽だまりっていう喫茶店に行ったって教えたの。そしたら、分かったって切れて。でも、場所は聞かれなかったんだよ?」

「そうだったんだ……。でも、茜が謝ることじゃないから……」

「それで、何があったの?」

「圭くんに見られた……」

「……何を?」

「先生にキスされたところ」

「えっ……キス!? されたの? 先生に?」

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