こっちを向いてよ、ダーリン!

最初に感じた繊細さなんて微塵もなく、挑戦的な目、威圧するような態度で私に対峙する。


圭くんが彼女の部屋に腕時計を忘れた……?
腕時計を外さなくてはならないことをした……?


――それって。


事態を少しずつ理解し始め、呼応するように速くなる鼓動。

困惑する私の手を取り、その腕時計を握らせた。

私の反応を面白がるように見つめる視線が悔しい。


「……それはわざわざありがとうございました」


動じていない振りを装い、彼女の目を見返した。

きっと、これは挑戦状だ。
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