こっちを向いてよ、ダーリン!
私だって、忘れたい。
早く楽になりたい。
圭くんより好きな人を作りたい。
「俺に任せてみろ」
自信満々に言われて揺らぐ気持ち。
先生になら、本当にそれが出来るかも。
そう思ってしまうのは、この場の雰囲気に飲まれているせいなのか。
ゆっくり近づいてきた先生の唇を黙って受け入れた。
これでいいんだ。
これが最善の方法。
そう言い聞かせる裏側で、いくら打ち消しても浮かび上がってくる圭くんの顔。
先生の温もりを感じながら、心では全く別の想いを抱えていた。
本当に欲しいのは、圭くんなのに――……。