こっちを向いてよ、ダーリン!
“沙夜子さんに反対されたから、やっぱり一緒にはいられない”
そんなことを言われたらどうしよう。
私には入り込めない二人の無言の会話が、私を不安にさせる。
固唾を呑んで見守っていると、圭くんが目を開けて私を見た。
「沙夜子さん、笑ってた」
「え?」
「これからは、沙羅と生きていくって報告したら、“沙羅をよろしくね”って」
「……ほんとに?」
「心配だった?」
「うん……。圭くんを取らないでって言われたらどうしようかと思った」
圭くんは、優しい笑みを浮かべながら私の髪を撫でた。