こっちを向いてよ、ダーリン!

「……忘れてなんかいないよ。沙夜子さんは、今でも大切な人だ」


その言葉に、もう一度傷つく。

圭くんが私の髪を優しく撫でた。


……そんなことしないでよ。
私に優しくなんてしないでよ。

そう思うのに、振り払えない弱い自分に嫌気がさした。


私は、ママにも、さっきの彼女にも敵わない。
それは、圭くんの瞳には、一生私が映らないということ。

これ以上つらい宣告はなかった。

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