こっちを向いてよ、ダーリン!
思いがけない言葉に、目眩を起こしそうになる。
足元がふらついた私の腕を圭くんが抱きとめた。
「おいっ、大丈夫か?」
……大丈夫なんかじゃない。
結婚、って言ったんだよね?
今のは、プロポーズだよね?
『結婚』というたった2文字が理解し難くて、言葉が出て来ない。
「返事しないなら、取り下げるぞ」
「えっ、ま、待って! でも……そんなこと言ってもいいの?」
だって、ママの目の前で……。
嬉しさの半面、戸惑いがあるのも事実だった。
「沙夜子さんの前で言いたかったんだ」