こっちを向いてよ、ダーリン!

え? そんな訳はない。
だって、私が飲んだのはウーロン茶。


「……あ、これウーロンハイだ」


私のグラスを試し飲みした茜が、慌てて私に水をよこした。


あれ、お酒だったの?
どうりで。
ふわふわしてきたと思った。


今さら水を飲んだって、この状態に変わりはない。

そもそも、お酒を飲めない体質というのもどうかと思う。
20歳を過ぎれば、誰だって美味しくお酒を飲めるものだと思っていたのだから。

これだから、圭くんにはいつまで経っても子供扱いされるんだ。


ああ……眠くなってきた。
生理現象に流されるまま、ゆっくり目を閉じた。

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