こっちを向いてよ、ダーリン!
◇◇◇
「……羅、沙羅?」
呼ばれる名前にゆっくりと目を開ける。
近くには圭くんの顔。
「大丈夫か? 気分はどうだ?」
優しく問いかけられ、うんと頷くと、圭くんはよかったと安堵した。
「酒飲んだあとに、ゆっくり湯船に浸かったらダメなことくらい知らないのか?」
そんなこと知らない。
入る前に注意してくれたっていいのに。
……お風呂?
ということは、私、裸で倒れたんだ。
チラリと確認した身体には掛けられた毛布。