こっちを向いてよ、ダーリン!

けれど、圭くんには全部見られてしまったに違いない。

途端に恥ずかしくて顔に血の気が戻る。


「顔色もよくなってきたな」


圭くんの冷えた手が頬に添えられ、優しく私を見つめる視線に、鼓動が急加速していく。


そうじゃない。
妹を見るような目じゃなくて、もっと熱く見つめて欲しいの。


諦めかけていた気持ちにスイッチが入る。


「どこか打ってないか? 痛いところはないか?」


聞かれて、即座に胸を抑えた。

胸が苦しくて、どうにかなりそう。


「そこ打ったのか?」

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