こっちを向いてよ、ダーリン!
飛んだ茶番
本当に欲しいものは、どうして簡単に手に入らないんだろう。
どれほど願えば、どれだけ祈れば、想いは受け入れられる?
「それにしても、沙羅ったら、ボロボロね。まさに身も心も」
少しくらい心配してくれてもいいのに、茜ときたら、この期に及んで私を面白いものでも見るかのごとく観察した。
いくら茜とはいえ、裸で迫ったことまで話すんじゃなかった。
脱衣所で打ちつけたお尻と腕の痛みは少しずつ和らいでいくのに、肝心の心はどんどん痛みが増す一方で、やりきれない思いばかりが残った。
あのまま圭くんと一緒にいることがいたたまれなくなり、タクシーで乗り付けた茜の部屋。
「こんな時くらいお酒飲ませてよ」