こっちを向いてよ、ダーリン!

◇◇◇

頭が重い。
まるで、鉛の帽子でも被っているみたいだ。


離れれば、圭くんへの想いは薄れていくと思っていたのに、寝ても覚めても圭くんの顔が心の奥底から離れてくれなくて、おかげで睡眠不足で疲れがたまっていた。

これじゃ、一緒に暮らしているときの方がずっとマシ。
そう思えるくらい、想いは膨らんでいた。


もうダメだ。
我慢の限界。
次の講義が始まるまで、医務室で休ませてもらおう。


別の授業をとっている茜と別れ、カバンを抱えて医務室へと向かった。


「失礼します……」

< 45 / 276 >

この作品をシェア

pagetop