こっちを向いてよ、ダーリン!

それじゃ、全部私の茶番だって、圭くんは気付いてたの?


……最悪。


裸で「抱いて」と迫ってみたり。
女として見てもくれない先生を彼氏だと偽ったり。

どうして私のすることは、ことごとく空回りばかりするのだろうか。


「分かったのなら、帰るぞ」


圭くんは、強引に私の手首を取った。


「いやよ!」

「健二が迷惑するだろ?」


ほら。やっぱり。
圭くんは、私を先生から奪いたくて来たわけじゃない。

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