こっちを向いてよ、ダーリン!


……そうかもしれないけれど、それは先立つものがなければ成し得ないことだ。
居候の身分の私には。


「ひとつ屋根の下にいるわけだし、試しに一度、身体……重ねてみたら? 意外に相性バッチリだったりして」

「な、な、何言ってるの?」


そんなことサラリと言うものじゃない。

呆れるくらい動揺する私に、茜がふふふと意味深に微笑む。

すっかり茜のペースに巻き込まれているのは、いつものことだけれど。


「それにしても、いったい何人と付き合えば気が済むんだか」


茜の言いたいことは、よく分かる。
何人と付き合ったって、気の済むことのないことだって。

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