こっちを向いてよ、ダーリン!
期待を胸に
「あ! いたいた! 沙羅!」
学生がグンと減った、午後2時の学食。
茜の声が入口の方から聞こえたと思ったら、ものすごい勢いで私のいるテーブルまで駆けて来た。
「昨日は一体どうしたの!? 夕べはどこに泊まったの!? 携帯も繋がらないし、心配してたんだからね!」
椅子に座るなり質問攻め。
家から飛び出して、茜の部屋に助けを求めていたのだから、茜が心配するのも無理はない。
「ごめんね、連絡もしないで」
「ほんとよ、まったく。それで、どうしてたの? 家に帰ったの?」
「あのね、」
「沙羅ちゃん、具合はどう?」
いざ話そうと茜に顔を近づけたところで、突然掛けられた声。