こっちを向いてよ、ダーリン!
「年上なら誰でもいいの?」
……やっぱり。
そうくると思ったのだ。
「この前、冗談で“校医はどう?”って私が言ったときは、ぜーんぜん興味なさそうにしてたくせに。もうちゃっかり知り合い?」
「とにかく、落ち着いて。ね?」
茜の両肩を抑えて、なんとか宥めようと試みる。
「落ち着いてるわよ、私は十分」
そう言う割には、荒い鼻息。
でも、茜が息巻くのも分かる。
圭くんに玉砕して、まさに傷だらけで茜の部屋に助けを求めておいて、一晩帰らなかったと思ったら、別の男の人と何かあったような親密そうな会話を交わす。
心配損だ。
怒るのも無理はない。