こっちを向いてよ、ダーリン!
「昨日ね、茜と別れた後、調子が悪くて医務室に行ったの。少しベッドで休ませてもらったら、すっかり眠っちゃって……」
夕べの経緯を順を追って正直に話すと、茜は、椅子に背中を勢いよく預けて、更に呆れた顔を私に向けた。
「沙羅は、全く成長してない」
耳が痛い。
茜が言いたいのは、先生に「彼女にしてください」なんて言ったくだりだ。
すぐに別の男に逃げる。
その繰り返し。
それで、解決するはずもないのに。
「いい? 沙羅、」
預けていた身体をテーブルに近づけ、両手を組んで私に顔を近づける。