こっちを向いてよ、ダーリン!
「先生が紳士的な男だったから、何ごともなく済んだのよ? まぁ、圭くんと大学時代の知り合いだっていうのもあるのかもしれないけど。
普通の男だったら、沙羅みたいに簡単に身体を差し出されれば、よっしゃラッキーって、即パックンよ」
「……分かってます」
シュンと背中を丸める。
「そんなことして、また傷を深くするつもり? 今までそうしてきて、何かいいことあった?」
黙って首を横に振った。
私のひどすぎる男性遍歴を知っているからこその、茜の発言だ。
本命が手に入らないから、手当たり次第、あっちこっち抱かれる。
……最悪だ。
茜に言われると、余計にそう思えてくる。