愛星〜紙飛行機に〜
トントン。
泣きつかれて、病院の廊下のイスに腰をかけてたら、うしろからだれかに肩をたたかれた。
「……おばさん」
「星くん、これ……」
そう言う愛生のお母さんの手には、1冊のノートがあった。
「これって?」
「あの子、だれにもナイショで日記を書いていたみたい……。星くんがもらってくれる?」
「いいんですか?俺なんかがもらって」
「いいのよ。それに読んだらわかると思うけど、星くんにもらってほしいの」
「……わかりました。ありがとうございます」
そう言うて愛生のお母さんから、その1冊のノートを受けとった。