好きでないのなら。
好きでないのなら。第一章
~中学三年、春の日の入学式~

アタシは三回目のクラス替えを迎えた。
新一年生も入ってきて、学校はさらに騒がしくなった。

「…アタシは誰と一緒だろ…。」

そう、ボソッとつぶやいた瞬間に親友である、『北野 梨花』が抱きついてきた。

「美緒ーーー!おはよっ!同じクラスだよっ!」
「え、ホントッ!?」
「うん!修学旅行同じ部屋にしよーねっ!」
「気が早いよ…」

梨花はとにかくうるさくて、まぁ、小さて。バスケ部の部長だ。
彼女とは小学生からの付き合いで、よく一緒にいることが多かったが、中1、中2と同じクラスになることは無かった。

「じゃ、一緒にクラス行こっか、梨花。」
「うん!早く行こっ!」

そして私は梨花と共に自分のクラスである、三年三組へ向かった。

「あ、美緒に梨花じゃん」

その言葉を発した人物、『東堂 沙耶』はアタシと梨花の元へ近づいた。

「おー、沙耶ー。あんたとまた同じクラスかw」
「ほんとだよw美緒とまた一緒とかもう嫌だわw」
「えー、沙耶ちゃんと美緒ちゃん羨ましいよーっ私だけいつも違うクラスだったもんっ」
「それはアンタの運が悪いのー」

そう言いながら沙耶は梨花にチョップをいれる。
沙耶は冷静でクールなサッカー部である。彼女はリア充というもので、学年でかっこいいほうの部類に入るやつと付き合っている。

「あっ!沙耶ちゃん、圭斗君と同じクラスなんだねぇー!良かったねぇー!」
「うっ…うるさいっっ!」

沙耶はやっぱ乙女なんだなと私は思った。
沙耶が梨花の頬をむにむにしながらアタシに言ってきた。

「…美緒も良かったねー。月宮と同クラでっ!」

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