夫婦の定義──君が僕のすべて──
さっきとは違うショッピングモールに足を運んだ二人は、仲良く手を繋いで、たくさんの店を見て歩く。

「やっぱり私たちは、ここじゃないとね。」

「他の店には行けないな。」

二人は`アナスタシア´の店舗に入り、冬物アウターのコーナーへ向かう。

「今年のコートは、今までより色が鮮やかと言うか…。今までになかった感じかなぁ。」

モノトーンの多かった昨年までの物に比べ、今年のコートは随分華やかだ。

「これなんか似合うんじゃない?」

ユウはピンクベージュのピーコートを手に取りレナの体に当てがう。

「派手じゃない?」

今までにあまり着たことのない色合いに、レナは少し照れ臭そうにしている。

「全然派手じゃない。優しい感じでいいよ。こっちのもいいな。」

ユウは同じ形のライトブルーのコートも手に取り、交互にレナの体に当てて見比べる。

「ユウはいつも、私が選ばないような服を見立てるね。私が自分で選ぶと、どうしてもモノトーンが多くなる。」

「せっかく一緒に来たんだから、いつもと違うのもいいでしょ。」
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