夫婦の定義──君が僕のすべて──
「じゃあ、次はユウの番ね。」

レナは嬉しそうにそう言って、メンズファッションのコーナーに向かう。

「オレはいいって…。」

「ダメ。ユウだけズルイ。私にもユウの服、選ばせてよ。それとも私が選んだ服はイヤ?」

「イヤじゃないよ。レナが選んでくれるのは嬉しいんだけど…。なんか照れ臭いな…。レナの気持ち、わかった。」

ユウは照れ臭そうに頭をかく。

「これは撮影で着たな。そっちの色違いのはCM録りの時に着た。」

「こっちのチャコールグレーのコートも似合うと思うけど、ユウにはやっぱり黒のロングコートがいいかな。」

「あ、そういうの好き。」

レナがコートをハンガーから外して手渡すと、ユウはそれを着て見せた。

「どう?」

背の高いユウでもじゅうぶんな丈の長さの黒いロングコートは、ユウの長身を更に際立たせているような気がした。

「うん、かっこいいよ。すごく似合う。」

「じゃあ、これにする。」
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