夫婦の定義──君が僕のすべて──
ユウがコートを脱いでいると、レナが少し残念そうに唇を尖らせて呟く。

「なんか…あっという間に決まったね…。もっとゆっくり、ユウとお買い物したいな…。」

いつになく甘えた様子のレナを見て、ユウは嬉しそうに笑った。

「いいよ。他には何買おう?」

「ホント?じゃあ…あっちも見てみよ。」


それから二人は、店内に並んだ洋服や小物をいろいろ手に取って試してみたり、お互いの体に当ててみたりした。

それから色違いのカシミアのマフラーをお互いに選び、会計を済ませて店を出た。


「これで今年の冬はあったかく過ごせるね。」

「レナが選んでくれたからな。」

「私も、ユウが選んでくれたから、着るの楽しみだな。」

「手袋かわいいのあったのに…良かったの?」

「うん。ユウと手を繋いだらあったかいから、手袋はいいの。」

「そっか。」

二人は幸せそうに笑って、手を繋いで歩いた。

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