夫婦の定義──君が僕のすべて──
悪夢にうなされ混乱して涙を流すレナを現実に引き戻そうと、ユウはレナの肩を強く揺すって大きな声で呼び掛ける。

「レナ!!目を覚ませ、レナ!!」

ユウが何度か呼び掛けると、レナは固く閉じていたまぶたをゆっくりと開いた。


「レナ…大丈夫か?」

ユウが声を掛けると、レナはビクリと肩を震わせ、そっとユウの顔を見上げた。

「……あ…。ユウ…。」

まだ夢と現実の区別がつかないのか、レナは怯えたように視線をさまよわせている。

「大丈夫、全部夢だから…。」

ユウはレナの背中を優しく叩く。

「……うん…。」

「怖い夢、見てたのか…?」

「………うん…。」

「そっか…。」


レナの見ていた夢の中で、一体どんな事が起こり、自分はレナに何をしたのだろう?

気にってしょうがないユウだったが、今は何も聞かないでおこうと決めた。

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