夫婦の定義──君が僕のすべて──
ユウはボトルを拾い上げ、キャップを開けてレナの手に握らせた。

レナはゆっくりと口元にその手を運び、少しずつ水を飲み込んだ。

そしてまたボンヤリと壁を見つめている。

「水…もう、いい?」

「うん…。」

ユウはレナの手からボトルを受け取り尋ねる。

「何か食べる?」

レナは黙って首を横に振った。

ユウは、レナがうなされて寝汗をかいている事に気付いた。

「汗かいてるな。タオルと着替え、持って来ようか?」

「…うん…ごめん…。」

ユウは脱衣所からタオルとレナの着替えを持って来て、メイク落としシートでレナの顔を優しく拭いてやった。

「化粧くらいは落としとかないとな。」

「うん…ごめんね…。」

「謝らなくていいから。」

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