夫婦の定義──君が僕のすべて──
キッチンのコンロの上に置かれた鍋を見たユウは、朝早くからレナが作っていた料理はなんだったのかと、鍋の蓋を開けてみた。

「豚汁…。」

鍋には具だくさんの豚汁。

(せっかくだから、食べようかな…。)

ユウは鍋を火にかけ、豚汁を温めてお椀によそった。

「うまいな…。」

朝からこんなにたくさんの具材を下ごしらえして料理するのは大変だっただろうと、ユウはその味を噛みしめる。

(何もなくたって、レナが笑っていてくれたらそれだけでオレは幸せなのに…。)


明日の朝起きた時、レナは今夜の夢の事を覚えているだろうか?

もし覚えていても、嫌わないでいてくれるだろうか?

夢の事なんてキレイに忘れて、いつもみたいにレナが笑ってくれたらいいとユウは思った。

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