夫婦の定義──君が僕のすべて──
「オレは須藤さんがニューヨークに移る時に一緒について行ったんで、それからは別々の職場だったんですけどね。今は、川田さんの病気があって、日本の事務所の応援に来てます。」

「そうなんだ…。レナまで休む事になって、迷惑かけてすみません…。」

ユウが申し訳なさそうに謝ると、加藤は首を軽く横に振る。

「それは仕方ないです。人間だから、病気になる事もあるでしょ。」

加藤はさらりとそう言って笑う。

「オレが`ALISON´のファンだって言ったら、レナさん、今度ユウさんに会えるよう頼んでみるって言ってくれて…。まさかこんな形で会う事になるとは思ってなかったけど。」

「そうなんだ…。じゃあ、今度ライブに招待しようか。」

「マジすか!!やったぁ!!」

(明るいなぁ…。)


「今度、音楽雑誌の撮影なんですけど…オレが`ALISON´の写真撮る事になると思います。」

「そっか…。よろしく。」

須藤写真事務所のカメラマンが`ALISON´の撮影をする時は、いつもレナがカメラマンを務めていた。

(仕方ないな…。レナがあんな状態じゃ…。)


< 202 / 405 >

この作品をシェア

pagetop