夫婦の定義──君が僕のすべて──
信号を待ちながら、加藤が静かに口を開く。

「レナさん…何か変わった事、ないですか?例えば…ずっとソワソワしてるとか…ビクビクしてるとか…。」

「えっ?」

須藤にもレナの状態のすべてを話していたわけではないのに、加藤にレナの事を尋ねられてユウは驚いた。

「うん…ずっとそんな感じなんだけど…。加藤くん、何か知ってる?」

「いや、ちょっと気になる事があって…。」

信号が青になると、加藤はゆっくりと車を発進させて、笑った。

「あ、それから、フミでいいです。オレの名前史彰なんで。須藤さんにもそう呼ばれてますから。」

「あ、うん。じゃあ、フミも敬語じゃなくて、普通にしゃべってくれていいから。」

< 203 / 405 >

この作品をシェア

pagetop