夫婦の定義──君が僕のすべて──
須藤写真事務所に到着して応接セットに通されると、ユウは須藤に大きな封筒を手渡された。

「…これは?」

「開けてみて。」

ユウが封筒の中から取り出したのは、レナの写真だった。

(あっ…レナだ。…ん?)

そこに写っているのは確かにレナなのに、どこか違和感がある。

(なんだろう、この違和感…。)

須藤はユウにコーヒーを差し出すと、向かいの席に座ってタバコに火をつける。

「どう思う?」

「レナ…ですよね。確かにレナなんだけど…何て言うか…。」

「違和感あるだろ。」

「ハイ…。なんだろう、この違和感…。」

ユウはまじまじと写真を見つめる。

何枚もある写真を1枚ずつ見ながら、ユウは写真の中のレナをまるで別人のようだと思う。

(なんか…よく雑誌なんかに載ってる、普通のモデルみたいだ。)

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