夫婦の定義──君が僕のすべて──
「あっ、そうか!!」

「わかったかな?」

「ハイ…。普通のモデルみたいです。」

ユウの言葉に、須藤はおかしそうに笑う。

「だよな。普通のモデルみたいにカメラに向かって笑うのも、カメラ目線も、レナは苦手だから。」

どの写真のレナもカメラに向かって作り笑顔を浮かべたり、じっとカメラに目線を向けたり、ポーズを撮ったりしている。

「レナのこんな写真、初めて見たかも…。」

そこに写っているレナは、モデルとして確かにキレイだとは思う。

だけどユウは、いつも須藤が撮る写真のレナの方が、レナらしいような気がした。

「この写真、うちの若い女の子が撮ったんだ。モデルのレナとカメラマンのルミ、お互いの練習のためだって。」

「練習…ですか?」

「レナから練習しようって言ったんだってさ。モデルとしてのキャリアは長いのに、モデルらしい事をするのが苦手だからって。レナは人見知りだからな。カメラマンがよく知った相手のルミだし、ルミの腕がいいからまだキレイに撮れてるとは思うが…。」

「素人のオレが言うのもなんですけど…これ…レナらしくないです。別の人みたいだ。」
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