夫婦の定義──君が僕のすべて──
それからユウは、レナの詳しい様子を須藤に話した。

ただ声が出なくなった事を気にして落ち込んでいるだけではなく、夢を見てうなされてから、ユウに怯えているようだと話した。

「塞ぎ込んで部屋にこもりっきりで…。オレが近付くとビクッとして、オレの目を見る事もできなくて。でも、その事でレナはオレに対して罪悪感って言うか…。」

「それで、出て行った、と。」

「レナ、結婚指輪置いて出てったんです…。オレといる事がつらいのかな…。」

「あれだな…。鬱ってやつだ。レナは真面目だから、ちゃんとしなきゃって頑張り過ぎる。」

「オレもそう言って、できる家事はするんですけど、レナは甘やかさないでって、余計に無理して頑張るし…。モデルとカメラマンを両方続けている事についても、知らない人に悪く言われて悩んでたみたいだし…。先輩の病気で急に仕事の環境が変わったり…。他にも、目の前で事故見ちゃったりとか、友達のお産に居合わせちゃったりとか…。いろんな事がいっぺんに起こって、参ってたと思うんですよね。」

「そうか…。」

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