夫婦の定義──君が僕のすべて──
「後ろも切りたいの?」

レナが肩より10㎝くらい下の辺りのところで髪をつまんで見せる。

“これくらい”

「そんなに?うまく切れるかなぁ…。失敗しても、怒らない?」

“怒らないよ”

レナが口の動きだけでそう言って少し笑う。

「よし、じゃあ挑戦してみようか。」

ユウがレナの髪を切る。

茶色く長い髪が、少しずつ短くなる。

「後ろの髪を切るのは意外と難しいぞ。」

“大丈夫”

「ホント?」

“ホント”

ユウは慎重にハサミを動かし、レナの髪を切り揃えた。

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