夫婦の定義──君が僕のすべて──
熱いミルクティーにふうふうと息を吹き掛けて冷ましながら、なんとなくユウの事を考えた。


あんなにもユウに怯え、目が合わないように下を向いていたはずなのに、小浜島のビーチでのできごとから、不思議とユウに対する恐怖心が薄れて、笑えるようになった事をレナは自覚している。

(沖縄でも、帰ってからも…ユウに抱かれても苦しくならなかった…。)

お酒に酔っていたせいなのかとも思ったが、意識がなくなるほど飲んでいたわけでもない。

ユウに迫られたわけでもなく、レナの意志でユウを求めた。

(私、やっぱりユウの事、すごく愛してるって実感した。ずっとそばにいたい、これからもユウの奥さんでいたいって…。)

ミルクティーを一口飲んで、レナはユウが切ってくれた髪に触れ、ユウの優しい笑顔を思い浮かべて微笑んだ。

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