夫婦の定義──君が僕のすべて──
お茶を飲んだ後、部屋に案内されたレナは、荷物を部屋の隅に置いて、座椅子に腰掛けた。

何をするでもなく、ただボンヤリと壁を見つめるだけで、静かに時間が流れて行く。

(ユウ…。)

あれからユウとまともに顔を合わせる事もできず、どうする事もできないでいる。

ユウもきっと、レナとどう接していいのかわからないでいるのだろう。

(このまま一緒にいても、ユウを苦しめるだけかも知れない…。)

やっと少しは自然にユウと一緒にいられるようになってきたと思った矢先に、こんな事になってしまった。

(あの時、私が控え室になんて行かなければ、こんな事にはならなかったのに…。)

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