夫婦の定義──君が僕のすべて──
「かわいかったなぁ、二人とも…。いつも何する時も、二人一緒で…。ユウは小さい時からレナちゃんの事が大好きだったから。」

直子の言葉を聞きながら、レナはアルバムをめくり、1枚の写真に目を留めた。

保育園の年中の頃の写真だろうか。

小さな七夕飾りを手に笑うユウとレナの姿が写っている。

(保育園の七夕祭り…。短冊に願い事を書いて笹に飾って…。なんて書いたかなぁ…。)

七夕祭りの写真に見入っているレナを見て、直子が楽しそうに話し出す。

「保育園の七夕祭りね。みんなで短冊に願い事を書いて飾ったわね。二人ともやっと平仮名が書けるようになり始めた頃だったから、一生懸命願い事を書いて…。かわいかったわ。」

“なんて書いたか覚えてる?”

レナが口の動きだけで尋ねると、直子はメモ帳とペンを持って来てレナに差し出した。

「ごめんね。ユウみたいに、レナちゃんの言いたい事がわかればいいんだけど…。私にはやっぱり難しいみたい。これに書いてくれる?」

(あっ…。そう言えばみんなもそんな事言ってたっけ…。)

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