夫婦の定義──君が僕のすべて──
「そんな悲しい事言わないで、レナちゃん。今はつらくても、また笑える日が来るから。その言葉、ユウが一番悲しむと思うわ。ユウはレナちゃんがいれば、それだけでいいって。他に何もなくても、レナちゃんと一緒に生きて行く事が、ユウの一番の幸せだって。二人が笑って幸せでいてくれる事が、私の一番の願い。」

レナはうつむいて、流れる涙を手の甲で拭う。

「レナちゃんはユウにとって、誰よりも、何よりも大切なの。それだけは忘れないで。」

直子は立ち上がって、涙を拭いながらうなずくレナの肩を抱いた。

「ごめんね。疲れさせちゃったかな…。そろそろ休みましょう。」

レナは直子に肩を抱かれながら部屋に戻った。


タオルで涙を拭きながら布団に入ったレナは、さっきの直子の言葉や、優しいユウの顔を思い浮かべ、また溢れる涙をタオルで押さえる。

(ユウの事、愛してる…。だから余計にユウを悲しませるのがつらい…。私以外の誰かと一緒でも、ユウには笑ってて欲しいの…。)

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