夫婦の定義──君が僕のすべて──
翌日、昼食を終えたレナは、直子に誘われて近所へ散歩に出掛けた。

レナが部屋にこもっている間に、もう12月も半ばになり、外の景色はすっかり冬に移り変わっていた。

大きな公園では小さな子供たちが無邪気に笑い声をあげて、楽しそうに遊んでいた。

母親たちは愛しそうに我が子を見つめている。

「ユウとレナちゃんも、いつも暗くなるまで公園で遊んでたわね。泥んこになって、手を繋いで帰って来て…。お風呂の中でユウが、今日はレナちゃんとこんな事をして遊んだって、いろいろ教えてくれてね。」

直子は懐かしそうに微笑む。

(いつもユウと一緒に遊んでたな…。リサはいつも仕事で忙しかったけど、ユウと二人でいると、全然寂しくなかった…。)

幼い頃から、いつもそばにいてくれたユウ。

大きくなっても、いつもそばにいてレナを守ってくれた。

(ユウが急にいなくなって、離ればなれになった時は寂しかった…。でも大人になって、また会えて…初めて恋をして…いつの間にか、ユウがいないと生きていけないって思うくらい好きになって…。絶対に二人で幸せになろうって結婚して…。)

ユウを想うたびに、胸の奥が痛む。

レナが胸を抑えて顔を上げると、その先に教会が見えた。

(教会…。)

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