夫婦の定義──君が僕のすべて──
翌日、ユウは険しい顔をしているレナを、夕べパソコンで調べたレディースクリニックに連れて行った。

レディースクリニックの看板を見て、レナは驚いているようだ。

「大丈夫だよ、レナ。ここ、女医さんがやってるんだって。内科も診てくれるから。」

院内に足を踏み入れると、患者のほとんどはお腹の大きな妊婦だった。

(まぁ…産婦人科だしな…。)

受付でユウは、レナが今は病気で声が出ない事を説明する。

「それでは問診票にご記入下さいね。」

レナは問診票を受け取ると、イスに座って記入し始める。

そして、時々首をかしげたり、何かを指折り数えたりしていた。

(なんだろう?何か数えてる?)



しばらく待つと、レナの名前が呼ばれた。

「ご主人は待合室でお待ち下さいね。もしお聞きしたい事があったらお呼びしますので。」

「わかりました。」

少し不安そうにユウを振り返りながら、レナは案内された診察室へ入って行った。

(大丈夫かな…。たいした事なければいいんだけど…。)


< 339 / 405 >

この作品をシェア

pagetop