夫婦の定義──君が僕のすべて──
お腹に触れるレナの手に、ユウは大きな手をそっと重ねて愛しそうに呟く。

「ここに、オレたちの子がいるんだな…。」

「そうだよ…。」

「オレはさ…生い立ちがあんなだから、もし子供ができても、ちゃんと愛せるのかなって、ずっと不安だったんだ…。だから、もしレナが産みたくないなら、それでもいいって…ずっと夫婦二人で生きるのも幸せだって思ってたはずなのに…レナが妊娠してるって聞いて、もちろんビックリしたけど、やっぱり…素直に、嬉しいって思ったんだ。」

ユウはレナをじっと見つめた。

「オレにはそばにいる事くらいしかできないけど…それでも、オレにできる事はなんでもするし、少しでもレナの不安が取り除けるように頑張るから…レナのお腹の…オレたちの子供、産んでくれる?」

レナが微笑んでうなずくと、ユウはレナを優しく抱きしめた。

「ありがとう、レナ…。大事にしような。どんな子でも、目一杯愛情注いで、二人で一緒に育てて行こう。」

「うん…。」

ユウはそっとレナの唇にキスをして、少し照れ臭そうに笑った。

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