夫婦の定義──君が僕のすべて──
朝から晩まで、急に泣いたり怒ったり、わがままを言ったりもするが、今まであまり見た事のないレナの様子が新鮮で、ユウはそんなレナがたまらなくかわいいと思いながら、笑って受け止める。

こんなふうにわがままを言ったり、感情をぶつけられるのも、レナが安心して甘えてくれているんだと、ユウは嬉しく思った。


妊婦と言うのは、体調の悪さや感情の不安定さを伴ってまで、自分の体の中で新しい命を守り育む事のできる、男である自分の想像を遥かに超えた未知の存在だとユウは思う。

だけど、そんな大変な思いをしても“ユウの子供を産みたい”と言ってくれたレナが、これまで以上にとても愛しい。

いつかシンヤが言っていた事は本当だとユウは妙に感心する。

(レナには頭上がらないよ…。子供が生まれても、オレの一番がレナである事は変わらないんだろうな…。)

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