夫婦の定義──君が僕のすべて──
ジャケットのポケットからスマホを取り出し、画面に映る着信表示を見た途端に笑顔になったレナは、嬉しそうに通話ボタンをタップする。

「もしもし。」

「レナ、予定よりちょっと早いけど、終わったよ。今どこにいるの?」

「いつものショッピングモールだよ。これから迎えに行っていい?」

「来てくれるんだ。じゃあ、事務所で待ってるから、気を付けて。」

「うん。」


結婚して毎日一緒にいるのに、ユウが電話をくれたことや、これから迎えに行って一緒に過ごせることがたまらなく嬉しくて、レナは足取りも軽く駐車場へと向かう。

(思ってたよりずっと早く終わったんだ、嬉しいな…。ユウと一緒に夕飯のメニュー考えて…お買い物して、それから…。)

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