夫婦の定義──君が僕のすべて──
“着きました。駐車場で待ってるよ”


相変わらず飾り気のない、レナからの短いメールを受け取ると、ユウは穏やかに微笑んだ。

(レナのメールは相変わらず簡潔だなぁ。)

高校生の頃も確かこんな感じだったなと思いながら、ユウはレナの待つ駐車場へ向かおうと、タバコの火を灰皿の上で揉み消して立ち上がった。


「ユウ、お疲れ様!」

運転席のレナは、嬉しそうにユウを出迎える。

「うん、ありがと。」

笑顔のレナがかわいくて、ユウは優しく笑ってレナの頭を撫でる。

「何か買いに行ったの?」

助手席に座ってシートベルトを締めながらユウが尋ねると、レナは口を少し、への字に曲げて呟く。

「そのつもりだったんだけど…店員さんが、出産祝いは赤ちゃんが生まれてから用意した方がいいって。」

「そうなんだ。」

「だから、何も買わなかった。」

残念そうなレナを見て、ユウは優しく微笑む。

「じゃあ、これから何か、レナが欲しい物でも買いに行く?」

「私の欲しい物?」

「これから寒くなるし、コートとかどう?」

「いいの?ちょうど、そろそろ新しいの欲しいなって思ってた!」

「よし、じゃあ早速行こう!!」

「うん!!」
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