制服なんて


「変わってないんだね。物置みたいになってるか、何も無くなってるかだと思ってた…」


久しぶりに入った部屋。


哲二が大学を卒業して以来、来ることはなかったこの部屋は


その時とあまり変わっていなくて懐かしく思う。


殺風景な部屋。難しそうな本や、少年マンガ。一定の家具が揃っているそんな部屋。


「あぁ、あんまし物持ってかなかったしな。それに、このまんまにしててって母さんに頼んだしな」


「ふーん」

「お前…彼氏いないってことは、中学のときのヤツと別れたんだ…」


「なっ!!」


また、私には苦いことを…



ふー、と息を履き心を入れ替える。


「中学のときのことなんてまた随分と古い話だよ。半年もったかもたないか、ぐらいだったよ。」


「そっか…」

私ばっかりそんなことを聞かれるのも損をした気分になるので


「そういう哲二は彼女いるの今?」


バスケットボールを両手で“右、左”とさせ遊んでいる哲二。


「んー?俺?…俺はここずっと作ってないよ」


「へー・・・意外。彼女切らしたことないってイメージ。」


実際哲二が中学に上がったときから彼女らしき女の子と歩いている所をずっと見てきた。


それは、いつも見たことのない人に変わっていた。


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