制服なんて
─────────────────
ピロンピロン…
6:30、鳴り出す目覚まし時計を止める。
最初に向かうのは洗面所。
いつもと変わらない生活をおくる。
「お母さん。味噌汁の味変えた?」
いつもと違った味付け。
「哲二くんからのお土産よ〜」
と、まるで哲二のファンとでもいうかのように目を輝かせて言う母の手にはその地方特有の味噌。
そうか、哲二か…
昨日のことが思い出され自然に眉間にシワがよる。
だめだ。考えないようにしなきゃ。
さて、時間だ。
「んじゃ、行ってくるね〜!」
カバンをソファーからとり、玄関に向かう。
「行ってらっしゃい!」
玄関までついてきてくれる母。
「あ…帰り隣寄りなさいよ」
「え?」
ローファーを履き。その言葉に後ろを向く。
「なんで?」
「久しぶりにご飯一緒にしましょう?だって、憂希ちゃんが」
そっか…憂希おばさんが。
それなら、しょうがない。もしかしたら哲二はいないかもしれないし…