あたしの意地悪な弟
 「わかりました。それなら大丈夫です」

 「ありがとう、泣いている後輩を一人にするのはさすがに俺もしたくないから」

 「ありがとうございます夕日先輩」

 あたしは夕日先輩に感謝の気持ちを込めて笑った。



 家に着き、夕日先輩をあたしの部屋まで案内し、少し待っててもらいお茶を用意した。

 「わざわざごめんね」

 「いいんです、お客様なので」

 お茶を出し、あたしも座ったところで気になっていたことを聞く。

 「夕日先輩は誰にでもこうなんですか?」

 「え?」

 「いや!えーとですね、泣いている子がいたら側にいてあげるーみたいな?」

 あたしは変な手の動きとともに変なことを聞いてしまった。

 「凛ちゃんはほんと面白いね」

 あたしそんな面白いことしているつもりありませんがね・・・。

 「確かに、泣いているこがいたらなるべく側にいてあげようって気持ちはあるけど、皆にやっているわけじゃないよ。それに、女の子にはなるべく優しくするようにはしているけど、それも必要最低限だし、家にまで付きそうなんて今回が初めてだよ」

 「そうなんですか」

 ん?待てよ。それならどうしてあたしにここまでしてくれるのでしょうか。あたしからはそんなに危なっかしい雰囲気が出ていた、ということなのですかね!?

 「先輩はどうしてあたしにここまで、優しくしてくれるんですか?あたしそんなに今にも飛び降りそうなほど絶望的な顔してました?」

 「いやー・・・・流石にそこまでの顔はしてなかったよ」

 あ、夕日先輩ちょっと引いてますね。例えが悪かったかもしれない。

 


 
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