あたしの意地悪な弟
 「夕日先輩は、あたしを心配して家まで付いて来てくれただけだから」

 「心配ってお前、もしかしてさっきのことか?それなら謝る。俺が悪かった。ごめん」

 勇輝がやかえに素直すぎてなんか可愛いな。ってそんなこと考えてる場合じゃない。

 「そ、それならもう気にしてないから。あたしのほうこそごめん。それに夕日先輩には違うことで心配かけちゃっただけだよ」

 まぁ、内容は違うけど原因となった人物は変わんないけどね。

 「それで、なんで夕日先輩が来てんの?」

 「それはー・・・」

 「凛ちゃんが道端で泣いてたからだよ」

 「そうそうあたし泣いててーって夕日先輩!?」

 それ言っちゃうんですか!?

 「あれ?言わない方が良かったかな?」

 「できれば言わない方が良かったですね・・・」

 「でも、凛ちゃんが泣いていた理由って多分勇輝君関連だと思ったから本人に伝えたほうがいいと思ったんだけどな」

 確かに勇輝が原因の一つだけど!その本人には言って欲しくなかったかなー!!

 「凛、お前やっぱりさっきのこと怒ったのか?」

 「だから、違うって。あれはあたしも悪かったし」

 「じゃあなんで泣いてたんだよ」

 「言いたくない」
 
 「俺がまたなんかやっちまったんだろ。言わねぇとわかんないから言えよ」

 しつこく聞いてくる勇輝とうとうあたしは・・・。

 「んーーーもうしつこい!!言いたくないって言ってるでしょ!!」

 怒鳴ってしまった。

 「・・・・あっそ」

 そう言うと勇輝はあたしの部屋から出て行ってしまった。

 やってしまった。これは完璧に嫌われた。
 

 

 
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