あたしの意地悪な弟
 「自分のせいでまた誰かが悲しい顔をするの見たくないの。だから・・・」

 「凛ちゃん、私これ以上余計なことは言えないけど、勇輝君のことはどうするの?ずっと喧嘩したままなの?それでいいの?」

 「それは・・」

 このままじゃダメだのは分かってる。けど今のあたしじゃ、ダメなんだよ。

 「凛ちゃん、ちょっとはわがままになってもいいんだよ」

 「これ以上わがままなったらあたし今以上にダメ人間になっちゃうよ。それに」

 「先輩を悲しませることになるから?」

 綾乃はあたしのことはお見通しだね。

 「うん。先輩はどんなあたしでも好きだって言ってくれた。そんな先輩をあたしは裏切れないよ」

 「凛ちゃん・・・」

 ごめんね綾乃、その気持ちだけで十分あたしは嬉しいよ。





 ―――――――その頃屋上で

 「勇輝お前本当にこのままでいいのか?」

 「なにが?」

 「凛ちゃんとられちゃったままでいいのかって聞いてんの」

 またその話か。

 「何度も言ったけど俺には関係ない」

 「お前いい加減にしろよー。なにがあったか俺は知らないけど、ここ1週間まともに凛ちゃんと会話してねぇじゃん」

 「それがなんだよ。お前には関係ないだろ。それに、凛はもう生徒会長と付き合ってんだから今さらどうしようもねぇし・・・」

 「なるほど、それが本音なのですな~うひひひ」

 「・・・・・」

 「あからさまにキモがるのやめてもらえませんかね」



 

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