雷獣

「あのー....。」
洗面台から遥香が出てくる。

「思ったよりぶかぶかなんですけど....。」

「.....っいい‼そのぶかぶか感が可愛い‼」
なんか発狂してる拓哉先輩はほっておいて夏惟先輩に聞く。

「ほんとにこれで行きますか?」

「さっきより10倍ましになったんで我慢してくださいね」

「遥香、可愛いよ!さ、行こ!」
そう言う風翔先輩も夏惟先輩も発狂してる拓哉先輩も準備バッチリだった。
1人覗いては、

「岳人は行かないの?」
変わらずソファーで寝ころんで携帯を見ている岳人。

「さみーの無理。パスー、行ってらー。」
ソファーから起き上りもせずに手だけ振る岳人

ムカッてして岳人に意地悪を言う。

「あー、そういえば知ってる?」

「あ?何が?てかさっさと行ってこいよ」

「ホラー映画とか見るとさ霊とか集まってくるんだってね、仲間がいると勘違いしてんでいないから悲しくなってそこにいる人を道連れにするとかしないとか聞いたことあるわ、じゃ、行ってきます。」

「あー、僕も聞いたことあるよ1人の方が連れていかれやすいんだよね?じゃ。」

「そりゃ、大勢連れて行くより1人の方が確実に連れていきやすいですからね、戸締りよろしく。」

「その時って体は動かないし声も出せないから誰にも助け求められないんだってね。あ、コンビニの後みんなでラーメン食べに行かない?」

「いいですね、じゃすぐに帰ってこないけど留守番よろしくね岳人。」
そうリビングの扉を閉めると

「ふ、ふざけんな‼俺も行く!、置いてくんじゃねー拓哉待ってろ!」
一人で叫んでる岳人の声を聴いてみんなで顔を見合わせてクスクス笑う。

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