雷獣
玄関で慌てて準備してる岳人と待ってると
「なんだか前の遥香と岳人見てるみたい」
慌てて準備している岳人を見ながら独り言を言う風翔先輩。
”前”....ね...。
結構事あるごとに先輩たちは昔の方が...とか
前は....って言ってるだけど先輩たちはやっぱり昔の私との関係が良かったのかな?
無意識に言ってるんだろうけど...。
私は記憶がないから今のこの関係と何が違うとかわからないけど
十分毎日が充実してる。先輩達と一緒にいて楽しいし
こうしてコンビニに行くだけなのに楽しい。
でも前の私はどんな風に先輩達と過ごしていたんだろう...。
先輩達が無意識に私に”思い出してほしい”って願ってるのは分かってる。
けど、未だに何一つ思い出せない自分に怒りににたものを感じてる。
「じゃ、岳人が準備できてみたいだから行くよ~」
拓哉先輩がリビングから出てくる。
少しモヤモヤを抱えながらコンビニへ5人で行く。
「さみーよー」
モコモコの黒いダウンを着て首にはぐるぐるのマフラーをして首をうずめてる岳人
「じゃあ、家で待っててもよかったのに」
「は?あんな事と言われて家で待っていられるかよ」
「ふふ、このこの中で一番の怖がりだっりして」
そんな話をしながらコンビニについたので目的のコピーを済ませる。
終わって先輩達に声をかける。
拓哉先輩が期間限定のアイスがあったとかで買っていた。
袋の中を見たらバニラアイスにきな粉、黒蜜がかかっているアイスみたい
なにそれ、絶対美味しいやつじゃん。
わたしも買えばよかったな。
さむさむと言いながら拓哉先輩のおうちに帰宅。