雷獣
「な、なんですか...。」
「これ、ありがとう。」
そう言って岳人経由で借りたプリントを返す。
「あぁ、音楽のプリント。どうも、じゃあ」
受け取ったら教室から速やかに出ていく大森君。
内気な人なのかな?
「ね~おなかすいた!先にご飯にしよう」
「そうですね、そうしましょう。」
鞄を持って教室を出る。
私の両隣に風翔先輩と拓哉先輩
その後ろには岳人と夏惟先輩。
うん....。何故私が真ん中??
そして.....。
「あの、、、」
「なにはる?」
「すっっごい視線を集めて落ち着かないので先輩達の後ろを歩きたいたいです。
それか隣が岳人だけとか、、、、視線が....。」
「大丈夫だよ!気にするから気になるだけでそのうち気にしなくなるよ‼」
と、ニコニコの風翔先輩。
「日常茶飯事だしね~」
と、変わらずマイペースの拓哉先輩。
「もう慣れましたし」
と、冷静な夏惟先輩。
「蹴散らした方がめんどくせーよ」
と、口が悪い岳人。
場所を変わる様子もなく進む先輩方。
諦めて大人しく付いて行こう
表端で何を食べるかを話している2人の会話に耳を傾けていたので
ぼそぼそと聞こえる声に私は気づかなかった。
「雷獣に”桜”が戻ってきた」と....。