雷獣
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倉庫に戻ってきてバイクを乱暴に止めて階段を駆け上がる。
俺達の部屋のドアを思いっきり開けて名前を呼ぶ。
「はる!」
「あ、おかえりたく。」
そこには想像と違ったふわっと笑う遥香がいた。
てっきり泣き崩れていて俺の姿を見た瞬間、助けを求めるかと思ったのに....。
「夏惟も風翔も、岳人もおかえり。みんな返り血がひどいから着替えた方がいいよ」
そう苦笑いして俺達の服装を指摘しながらソファーに座りホットミルクを飲む遥香。
遥香の態度にさっきの事は夢だったのかと一瞬思わせたが
チラッと見えた手首の痛々しいあとが現実だと物語っていた。
「は....るか.....それ....。」
風翔が手首の後を指摘する。
「あぁ、これ?かなり強く縛られたみたいであとがね.....でもそのうち消えると思うよ?」
右手首をくるくるとさせながら言う遥香....。
息をのむ4人。
「とりあえず着替えてきなって、話するならそれからにしない?」
私飲み物準備して待ってるからさ、遥香がそう言うのでおのおの着替えることにした。