雷獣

---------------------------------------------

倉庫に戻ってきてバイクを乱暴に止めて階段を駆け上がる。
俺達の部屋のドアを思いっきり開けて名前を呼ぶ。

「はる!」

「あ、おかえりたく。」
そこには想像と違ったふわっと笑う遥香がいた。

てっきり泣き崩れていて俺の姿を見た瞬間、助けを求めるかと思ったのに....。

「夏惟も風翔も、岳人もおかえり。みんな返り血がひどいから着替えた方がいいよ」
そう苦笑いして俺達の服装を指摘しながらソファーに座りホットミルクを飲む遥香。

遥香の態度にさっきの事は夢だったのかと一瞬思わせたが
チラッと見えた手首の痛々しいあとが現実だと物語っていた。

「は....るか.....それ....。」
風翔が手首の後を指摘する。

「あぁ、これ?かなり強く縛られたみたいであとがね.....でもそのうち消えると思うよ?」
右手首をくるくるとさせながら言う遥香....。

息をのむ4人。

「とりあえず着替えてきなって、話するならそれからにしない?」
私飲み物準備して待ってるからさ、遥香がそう言うのでおのおの着替えることにした。
< 149 / 288 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop